三者面談の季節がやって参りました。

昨日は3件の三者面談をした。
その中でも最も時間と体力を削ったのが、生徒、母親、父親、私の四者面談!!

最初電話で生徒のお母さんから「父親も来たいと言ってるのですが、来ても大丈夫ですか?」と言われたときは、
「なんだろ。苦情かな。やばーい。」
と思っちゃった(笑)

実際その子の成績はあまり伸びておらず、低空飛行を続けていたので、「しびれを切らした父親が不甲斐ない塾に物申す!」という光景を想像して、経験のまだ浅めな私は身がすくんだのでした。責められると萎縮してしまうヒヨッコ。
(#゚ロ゚#)ぴよ。

その子のお母さんは、気の強い美人さんで、まさに教育ママ!という感じ。我が子がなかなか勉強にやる気を見せず、ぼんやりとした調子なのをいつも不満げに苛立たしげに見ている。なかなか我が子とうまく噛み合わない。

お父さんは後から来るということで、先に三者で面談を始めた。お母さんはいつもの通り不満を溜め込んでおる顔つき。しかもいつもはオーナーが面談をしているので、私が担当すると言ったときは、かなり不安そうだった。そりゃそうなるよね(笑)
(#゚ロ゚#)めんご。

お父さんは始まって5分ほどでやってきた。
お父さんの姿を見たとき、私は直感的に「この人は私の味方になってくれそうだ」と感じた。
見た目はいかにもスポーツマンという感じの胸板厚めでエネルギッシュで逞しい姿。でも眼は穏やかで口調も柔らかい人だった。

スポーツをしっかりとやり込んでいる人ほど、目先の結果で一喜一憂せず、冷静に状況分析ができる。私はこのお父さんの存在を、もうそれだけの理由でかなり心強く感じていた。

私からまずK君の現状を報告したが、その報告を聞き終わるや否や、お母さんは堰を切ったようにK君への不満を漏らし始めた。

概ね内容は、「勉強のやり方が適当」「テストの解き方が下手」といった具合だった。また、K君については国語力において、大きな課題を抱えていた。設問要求の理解がまず困難であることが、彼の学習の全てにおいて足を引っ張っていた。

これまでも国語力を高めるための授業や試みは私たちの方でも継続していたけれど、それは未だ分かりやすい形では成果を出せていない。お母さんが不安になるのは当然のことだった。

うちの塾でK君は国語の授業を受けているけれど、それに使っている教材は国語力の根本「論理的思考力」をシンプルな問題を解き続けることで鍛えていくもので、正直これ以上彼の国語力をつけるのに打ってつけの教材はないと思えるくらい、ジャストな教材だった。ただお母さんは「社会や理科の教科書の文章を使いながら国語力を鍛えるといった授業は出来ないものでしょうか?」と言い始めた。

社会や理科の成績を伸ばすということと国語力を鍛えるということの両取りを期待してのこの発言と思われるけれど、そもそもそんな授業は熟練したプロの国語教師でも難しいのではと思えるほどにハイレベルな要求だった。うちにプロの国語教師はいるけれど、彼は大学受験専門だし、学生アルバイターにそんなスキルは求められない。それは難しいと伝えた。

保護者とのやり取りで難しいところは、保護者の要望や提案を蹴ったときに、そのあと結果が出なければ、もしくは状況が悪化すれば、クレームに発展か、だまって退会されてしまうというリスクがある。

私は国語の授業は現在の内容を継続させる方がいいと思っていたし、それを言おうと思いながらお母さんの話を聞いていたけれど、お父さんの方からはお母さんとは違った雰囲気が出ていて、「これは私が言わなくてもお父さんが何か言ってくれるな」と感じ、あえてウンウンと聞いていた。

そして果たして、お父さんは動いた。
「いや、俺はこの教材すごく良いと思うよ。中途半端に路線を変えるより、これを徹底的にやるのが良いと思う」
と穏やかながら力強く言ってくれた。そして私はすかさずそこに乗っかった(笑)
(#゚ロ゚#)びんじょー。

お父さんの言葉を受けて、お母さんは納得してくれた。そのあとも、お父さんのおかげで、話し合いは穏やかに進んでいった。

私がお父さんをこっそり観察していたように、お父さんは私のことも観察していた。私という人間を図っているようだった。でもそれが割と嫌ではなかった。お父さんからは暖かい空気が出ているのを感じたから。

お母さんの不満も全て受け止め吸収してそれに応えるための対策を全て打ち出し、かつK君の主体性を重んじてなんとか彼の本音を引き出し、そこに応えるということを、時間をかけてやった。2時間かかった。

お母さんが何かKくんについて「この子はこういう子なんで〜なんです」という風に話せば話すほど、Kくんの眼から光が消えていくのがわかった。私は彼の心のサルベージに心血を注いでいた。

最終的にはKくんの眼に光が戻り、ある目標とそのために何をしていくかということを打ち立てるところまでこぎつけた。ただそこに辿り着くまでにお父さんの助力が大きかった。

私の面談を側で聞いていたオーナーたちが「スマートなお父さんでしたね。きっと頭が相当良い方なんでしょう」と言っていた。
私もそう思う。

最後にお父さんに対して好奇心から「スポーツを何かされていますか?」と聞いたところ「空手とサーフィンを」と笑って答えてくれた。色々納得した(笑)。「サーフィン一緒にいかがですか?」と社交辞令的に誘われた。ご家族で行って下さい(笑)
(#゚ロ゚#)あはは!