あたしのお兄ちゃん

他人のお兄ちゃんを見たとき、自分のお兄ちゃんと比べて見てしまう。こんな奴がお兄ちゃんだったら絶交するな、あたしだったらって思っちゃった(笑)

 

お兄ちゃんは二人いて、あたしの3コ上と5コ上。連絡を取ることは滅多にないけれど、あたしはこの2人のお兄ちゃんが好き。

 

長男はインテリお洒落メガネ(笑)

とにかく頭が良い人。だけど、インテリにありがちな「早口」「上から目線」「せっかち」といった要素は無く、口調はいつもゆったりしていて、いつも対等に話をしてくれて、とても辛抱強い人。

 

あと、センスが良い。お兄ちゃんが買ってくるものは必ずと言って良いほどカッコ良いか、面白い。巷で流行っているものには目もくれず、どこかから何か発掘してきては、あたし達兄妹に紹介して見せてくれた。

 

そういう時の男の人って自分がどういう努力や苦労をしたかや、俺って見る目あるだろアピールしがちでウンザリさせられること多々あるけれど、お兄ちゃんにはそんな様子は微塵も無かった。

 

ただ「こんなのあるよ」って見せて、あたし達が歓声をあげたり面白がったりするのを穏やかに笑って見ていた。

 

今冷静に考えると、本当に稀有な人。

 

次男はパワー系義理人情マン。

ウチの兄妹で唯一のスポーツマン。バスケが上手くて、高校のときはスリーポイントシューターだった。

 

あたしは次男とはよく喧嘩した。

どっちも気が短くて、プライドが高いから。

でも次男坊はあたしのことが大好きで、よく自分の友達にあたしのことを自慢していた。

 

高校のときはヤンキー的な人達と仲良くなっていて、山口組の幹部の息子とお友達になっていたときもあった。何事もなくて本当に良かった。

 

正義感が強くて、人情に厚い人。あたしに「俺の家にお前が泊まれるように部屋用意したから、いつでも福岡帰ってこいよー」って会うたび言う。その言葉にあたしはいつも「ハイハイ(笑)」って言うけど、本当は嬉しい。

 

あたしはお兄ちゃんには恵まれたと思ってる。

お兄ちゃん達のことは多分大好きなんだと思う。でも最近はそれぞれが自分の人生のことで手一杯で、滅多に会わなくなっちゃっている。身内のお葬式位しか、会う機会がない。

 

家族と疎遠になっていくのは、寂しいことなんだね。そう思ったことは実はこれまで無かったけれど。親だって、年に1度だと、会うのはきっと、せいぜい残り20回程度?

 

そう思うと、なんか泣ける。

何かとてつもなく薄情なことをしているような気持ちになる。

 

仲良くテーブルを囲んでテレビを見ながらご飯を食べていたあの頃は、私にとって、なんなのだろう。