あの子の頭にアンテナ刺してコントローラ使って勉強させたい

心って、子供の頃から少しずつ鍛えられているのね。

思いやる心
頑張る心
信じる心
愛する心

教育って、頑張る心を育てることに尽きるのかもしれない。いざというときに頑張れなければ、結局何かを諦めるしかない未来になってしまう。少なくとも私たちの暮らす社会では、勉強が出来るか出来ないかで選択肢の幅がまるっきり変わる。勉強はもちろん、5教科に限った話じゃない。

頑張る心は、それこそ筋肉に似てる。
放っておけばみるみる弱くなる。でも適切な負荷を継続的にかけていけば、強く逞しくなる。

中3の受験生の男の子。
その子はこれまで相当に甘やかされてきたのだろう。頑張らなければいけない状況だと分かっていても、頑張れない。すぐに目の前の楽に流されて、隣の友達に話しかける。家では全く勉強に当たることはやっていない。

テストの点を上げること自体は、実はそんなに難しいことではない。

本当に難しいのは、頑張らない子を頑張らせることだ。

頑張らない理由が、何か環境的なものが原因であれば、それを取り除くだけで済む。家だと集中できないから、というなら、こちらの自習室を使わせてあげればいい。学校の勉強がわからない、ついていけないのであれば、塾に来てさえくれれば、時間の許す限り私達が理解できるまで解説をする。

それならいい。でも、ただ「面倒くさい」「楽をしたい」という心の緩み、頑張る心の筋力そのものが退化した状態の子というのは、こちらの消耗が激しい上に、実りがない。

虚空に向かって叫んでいるような気持ちになる。どう教育したらこんな子に育つのかと親をなじりたくなる。

その子は授業で取っている科目についてはテストの点が30点も上がった。それ自体は良いことだけど、それで図に乗ってしまった。
「今頑張らなくても後である程度頑張ればいけんじゃね?!」
と思わせてしまった。

オーナーは
「僕たちは頑張りたい子、頑張る子に力を注ぎましょう。我々の力も所詮は有限なんです。僕はもうあの子には何も言いません」
と言った。

正論だと思った。
私があの子を見ていて腹の底から怒りがわく。その子に対してもそうだし、その状態を放置してきた周囲の大人にもそうだし、何にも状況を変えられない自分にも。

だからといってその子に対して愛情があるわけではないけれど。他の子の邪魔をする位なら他所の塾に移ってくれた方が管理上安心するくらいだし。

ただ、決して本人の意に沿わない未来がその子を待ちうけているだろうと思うとざわつくものがある。

頑張れよ、このヤローーーーーー!!!!!
ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!