タクシーの運ちゃん

最近仕事、主に雑務がなかなか片付かなくて、帰りが深夜になることが多く、終電を逃すことしばしば。その度にタクシー屋さんにお世話になってる。

 

大通り沿いを酔っ払いに捕まらないように足早に歩きながら、道路沿いに並んで止まってるタクシーの中から「空車」の表示が出てるタクシーを前から覗き込みつつ探してる。「回送」の表示が出てるタクシー結構多いんだよね(笑)一度回送ばっかりでなかなかタクシーが捕まらない日があって大変だった。

 

あたしは運転手さんに「そこを右に曲がって」とか「〜通りを通って」とか指示を出すのがすごく苦手だし地理もよく分かっていなくて、だから乗るときにいつも「今から言う住所をナビに打ち込んで、その通りに行ってください」って言う。運転手さんによってはちょっと変な顔する。普通は「〜方面に行ってください」とかから始まってお客がナビするからね。

(#゚ロ゚#)それマジでムリ!

 

昨日はいつものように終電を逃しオーナーが久しぶりにタクシー代を出してくれてヒャッホーウ!ってタクシーを探してたら空車のタクシーがすんなり見つかってすぐ乗れた。タクシーっておじいちゃん多いんだけど、そのときの運転手さんは比較的若い男性だった。多分40代後半かな?

 

乗っていつものようにナビを入れてもらったけど、その人はいつもの人たちと様子が少し違った。いつもはあたしがナビを入れてと言うとみんな覚束ない手つきでナビの画面を直打ちするんだけど、その人はリモコンを使ってスマートに打ち込んでいた。小さな違いだけど。お?ってなった。

 

で、今まで聞かれたことないこと聞かれた。

「お客さん、さっきタクシー乗る前に前から覗き込んでたけど、空車かどうか確認してたんですか?」

「え?はい!結構この時間は回送のタクシー多くて。確認してるんです。」

「あーやっぱりw空車かどうかはタクシーの上にあるランプが点灯してるの見れば分かるんですよぉ」

「そうなんですかぁ?!」

知らんかった(笑)マジで常識ないなあたし(笑)

 

その人の話し方はゆったりとしながらも滑らかで無駄がなく、なんとなく聴き心地が良いと感じた。タクシー乗ってこんな風に感じたのは初めてだった。

 

「前、空車表示になってるタクシーに近寄っていったら回送に切り替えられたことあって」

「あーそれはねぇw古い体質のタクシーはね、夜女性を乗せるの避けることあるんですよぉ。女性は距離短めっていう偏見?みたいなのあって」

「そうなんですかぁ?あたしのときもそうだったのかなぁ」

「それ通報ものですよーw」

 

その後もタクシー業界の話をしてくれて、ずっとそれをフンフン聞いてた。そこそこ楽しかった(笑)

 

最後にお会計するとき、名刺を渡してくれた。

「タクシーなくて困ったらいつでも呼んでください。あと、好きなキャラクターってありますか?」

と唐突に聞かれた。

「僕実はUFOキャッチャー得意で、お客さんの好きなキャラクターのぬいぐるみとかを取ってプレゼントしてるんですよw」

「えーーー?!?!すごい!あたしはぁ、えっと…(すごい悩んで)…スヌーピー…?(笑)」

「お!いいですよ!じゃあ次スヌーピー取って車のトランクに入れとくことにします。楽しみにしててください!」

と、振り返ったその運転手さんはなかなかイケメンさんだった(笑)

 

でも営業うまいねw こんな繋ぎ方されたら次呼びたくなるもん!スヌーピー楽しみだなぁ。

 

なんかめっちゃ長くなった(笑)

中学生男子

ブログあたしも書いてたのすっかり忘れてtwitterでキャイキャイしちゃってたわぁ!なんか改行しないスタイルがイカしてるらしい。文才ないから結局改行に逃げたくなるビビりな気持ちを押し殺しながら勢いで綴っていきます、よっしゃー(笑)(#゚ロ゚#)照。中学生全般と括っちゃうとちょっと違うんだけどウチの塾の中学生たちから今どきの中学生たちのあり方の断片が見える。思うのが「そんなに変わんないかも」っていうのと「優しい子多いな」っていうの。優しいっていうのも違うかも。男子も女子もグループってつくるでしょ?あたしが中学のときはそれはまぁ似たような感じの子らがグループ作って覇権を争ってたよね。イケイケグループ、地味地味グループ、オタクグループ、やんちゃグループなどなど。ウチの塾のある学校の中学生たちは友達の輪の幅がとにかく広い。頭がキレてケンカ強い兄貴肌の男の子、学校の換気扇にティッシュ詰まらせたり授業中にガム噛んで先生に反抗的な態度をとる子、サッカーはうまいけどいつも塾で落ち着きなく動き回る子、普段は物静かでよく自習室で勉強をしているけどマイペースでのんびりした子、繊細で学校を休みがちでモニョモニョとした喋りのもっさりした子、人当たりはよく(表面上は)大人の話を素直に話を聞く子…以上の子たちはみんな友達同士。なんというか、分け隔てがない。お互いの個性を認め合って面白がっているみたい。はたで見ていてすごく不思議。あたしが中学のときなら絶対この子虐められてるなって子がオラオラな男子と普通に対等に付き合っているように見えた。(そんなように見えてるだけかもしれないけどね) もしかしたらtwitterとかのSNSが個の多様性に触れる機会を生んでいて、彼らにとっては自分と違う他者の受け入れる幅がそれで自然と広がっているのかもしれないね。そう考えるとSNSって悪くないよね。ってもうこんな時間?!やばい寝なきゃ!!オチがなくてゴメン!!!(#゚ロ゚#)文才ゼロ!

中学生たちにやってやりたいけどやるつもりはない心の中の説教

あのね、火事あるでしょ。

火事起こると消そうとするよね。

消化器持ってきて、バケツいっぱいに水汲んできて、消えるまでかけ続けるでしょ。

それでも消えなきゃ消防士さんにホースで消してもらうでしょ。

なんで消すかって、それ以上燃え広がって、命や健康な身体や家を失う人が出ないようにするためでしょ。

 

あたしがあなた達に自習室で「静かに」って言うのは、まぁそれと一緒なのよ。

おしゃべりの生まれた空間って火事と一緒で、そばにいる「静かに集中して勉強したい人」がその空間を失うし、集中しようとした時間も失う。

 

火事って放っておくと燃え広がるよね。

おしゃべりもそうなの。おしゃべりの空気が漂い出すと、それを感じた別の人らが「しゃべっても良い雰囲気」を感じ取ってちょっとずつ喋り出すの。それがどんどん広がっていってね。もう「静かで集中できる自習室」という環境は、あっという間に大火事に見舞われて、真剣に、自分の未来のために、勉強をしたいと思ってやってきた人間の集中力と貴重な時間が燃えカスになってしまう。

 

あたしはね、その環境を全力で守ってる。

消火活動に奔走している。

 

そんなあたしの目を盗んで、あなたたちはこっそり火遊びを始めている。まぁすぐ見つけるけどね。でもずっと見ていられるわけじゃないから、火がつくのをいつもは防ぎきれない。だから火が小さいうちに消しに行くの。

 

あたしは滅多に怒らないでしょ。

あなたたちが何かコソコソ話しているくらいじゃ怒らない。大抵何か理由があるからね。どうした?って声かけて、問題があればすぐ解決して、勉強に集中する環境を整える。

 

ただ明らかに、友達にじゃれつきに行っただけ、おしゃべりしに行っただけ、ちょっかいかけに行っただけ、っていうときはね。言うこと言わせてもらうよ。それをどうしたってあたしは許せないからね。

 

そもそもあなたたちは「静かに集中できる自習室」を求めて本来ここに来たはずでしょう。友達との楽しい時間への快楽に目が眩んで見失ってるみたいだけど、来たばかりのときのあなたたちの目は、真剣そのものだったし、静かですぐに手助けが入るこの環境に感動していたじゃない。

 

あなたたちが勉強するための時間や空間だって、貴重なの。そのことをもう一度思い出して欲しい。自分のことで精一杯なのはそれでいい。それなら、本当の意味で、自分のことだけに精一杯を注いで欲しい。

 

・・・ってなことをクドクドと話したいような気もするけど長いし面倒だし結局伝わらなくてお互い時間のロスになることはもう分かってしまっているから言わない(笑)

 

 

 

子どもと駆け引き

ウチの塾に、インターナショナルスクールに通う小学2年生の男の子がいる。

 

インターナショナルスクールは、学校や両親の素質にもよるけれど、日本人の子どもにはかなりシンドい環境。授業は受け身の姿勢だと絶対追いつかない。フォローアップは親任せ。ウチの近所のインターナショナルスクールではある学年の男の子がついて行くことが出来ずに全員辞めるといった事態に。

 

そんな虎の穴に通うその男の子。彼も学校の勉強について行くのが大変なようで、

「勉強キライ。学校つまんない」

といつも言っている。

母親はそんな彼を教育出来るほどのスキルはなく、ただ「勉強しなさい!ちゃんとしなさい!」とどやしつける日々。

 

その子はその母親のことをいつも「うるさいんだよな。ママは。わけわかんないことばっか言うんだよ」とうんざりしたような顔で言う。

 

その子は学校や家での鬱憤を晴らす為なのか、授業中はとにかく落ち着きなく、集中できていない。関係ないおしゃべり、筆記用具で遊びだす、先生にちょっかいをかける、机の下に潜り込む等。

 

私がたしなめると、「はーい」といってキチンと座るけれど、目を離すとすぐに元どおり。

 

ウチの塾では授業が終わった後、生徒に復習をさせる。その子をまともに相手できるのはウチの教室では私くらいなので、その子の復習はいつも私が見ている。

 

私が最初に彼に具体的に指示を与えて、彼は初めはおとなしく言った通りに復習をしだす。私が目の前にいると、彼はちゃんとやろうとするので、少しの間はそれで持つけれど、それもやがて限界が来て、おしゃべりやおふざけが始まる。

 

私はそれを笑って受け入れながら、ある程度泳がせている。コントロールしようとせず、泳がせながらこちらへ惹きつける工夫や話し方を心がける。

 

彼の心がこちらへ向いてきたら、再開。

ただしそれでも後半はぐずりだす。そんなときは、私は一転して相手をしなくなる。

「君がそういう風ならしょうがない。途中だけどもうやめていいよ。帰っていい。私は頑張る子しか相手にしないからね。どうする?続ける?やめる?」

と穏やかで冷ややかな口調でそう言う。

 

そうすると、彼は顔色を変えて、

「やる」

と言ってやりだす。

 

こういった押し引きの駆け引きは、恋愛のそれとよく似ていておもしろい。教育の仕事をしていて、肝心なことは、「やらせる」ことじゃなく「やりたくさせる」こと。

 

まぁこの場合は「やりたくないけどここで投げ出すのはかっこ悪いかも」と思わせただけだけど(笑)それでも「自分の意思」としてそれを選択して実行するというのが大事。

 

少しだけ、コツをつかんできたかな、と最近思う。

(#゚ロ゚#)たぶんね。

たし算とひき算

この前は中学3年生になる男の子の三者面談をした。その子は学校の成績は下位層にいるけれど、そんななかでも徐々に成績を伸ばしていた。

「やれば出来る子」YDK。「やらないから出来ない子」YDK。これまで勉強をおサボりしてきた子なのです。

 

そして反抗期。三者面談では母親に「うるせぇ、黙ってろ!」などと乱暴に言い放つ。

「はい、暴言はかなーい(#゚ロ゚#)」

とやんわり介入(笑)

 

その子は工業高校に行きたいのだそう。車に興味があるからと。母親は言った。

「この子が工業高校に行きたいって言ってるのは今の自分の成績で入れるところがそういうところしかないからそう言ってるんです!」

 

まぁそうなのでしょう。

車に興味があり、車関連の仕事に就きたいなら、一番なりやすいのは整備士。整備士は大手系列の専門学校さえ出ていれば99%なれる。その職種は今売り手市場なのだと、今トヨタ系列の販売店でサービスエンジニアやってる私の兄は言っていた。

 

私の兄は大学進学せず、専門学校に入ってそのまま就職し、今では綺麗な奥さんと可愛い子供二人を抱えるお父さんやってるけれど、過去を振り返ると「おれは後悔してるからね」だそう。早くから道を狭めてしまったこと。専門学校ではなく、大学に行っておけばよかったと。

 

私はその子に私の兄の話をした。兄は「工業高校に行くのはやめたほうがいい」と言っていたのでそれも伝えた。

 

「工業高校」というレッテルに対する世間の冷たい目があることも伝えた。それを抱えるだけの価値を、その工業高校にあなたは本当に見出しているのか、と問うた。

 

「いいえ」

だった。だよね(笑)

 

その子は友達がこう言っていたから、とか、オメェが朝ごはん用意しねぇからやる気しねぇんだ、とか、色々言い逃れをしていた。

 

お母さんは息子に対してウンザリしている様子だった。

「この子はほんっと分かっていないんです」

「そんだけの力なんてないでしょう?何言ってんの?」

「もういいから黙ってて。恥ずかしいから」

 

うーん。確かに私でも多少イラっとする感じの子ではあるけれど、それは言っちゃダメだ。言いたくなる気持ちは痛いほど分かるけどね。

 

最後に当面の自主学習の課題と、目標を見定めて、私から最後に

「お母様は、彼に対して何も言わなくて大丈夫ですよ。彼がこれからやることを信じて見守っていてあげてください」と伝えた。

「ん〜あたしつい言いたくなっちゃうんです〜!言わないように気をつけます」

と言っていた。きっとお母さんも、こんなことを言いたくなんかないだろうに。心中を察して胸が痛んだ。

 

子供は生まれるとたし算式に愛情を与えられる。そして成長していき、ある段階から愛情がひき算式に変わる。

 

「何をしてあげるか」「何を言うか」を考えていたところから

「何をしてあげないか」「何を言わないか」を考えるところに変わっていく。

 

中学3年生、15才。

ひき算の教育を必要とする年代。

 

お母さん、どうかそこをグッとこらえて。

喉の奥をキュッと締めて。

たし算ではなく引き算を。

女の子を守るもの

4月から女子高生になる女の子。
新しい学校ではすでに部活を始めており、新たな交流が生まれている様子。
(#゚ロ゚#)楽しげ。

昨日帰り際に
「めっちゃウザい人いてぇ」
とある男の子とのラインのやり取りを見せてくれた。

「〇〇ちゃんって彼氏いんの?」
「いるっしょ、絶対!」
「どうなの?」

という感じ。ギラギラ飢えた男子高校生のターゲットにされてしまったよう。

「あたしこういうのマジ無理でぇ。キモいんだけどぉ」

と当たり前の反応を見せるその子。
まだ高校生だもんね。性的興味で先走りしちゃうのね。それにしても暴走気味なその男の子。その子が返事をするやいなや「既読」の表示が出現!

「えぇーーー!!既読めっちゃ早いし!こわいんだけどぉぉ!」
と拒絶反応。

「ねぇ、先生。キモいって言っていいかな」

「いや、キモいとかってただの人格否定だから。あなたの品位が下がるだけで良いことないから。やってることに対して『それされるの嫌なんだけど』ってハッキリ言えばいいの」

「ん〜、ホンット無理ーー!!」

その後どんなやり取りがなされたのかは不明。「キモい」とかって言ってないことを祈る。

うまく駆け引き出来るほどの賢さがあると、男も女も強いよね。

でも駆け引きの意味合いって男と女で意味合い違ってる。

男にとっては「女を落とす(身体の関係に持っていく)」ためのスキル

女にとっては「自分を不利な立場に追い込まないため」ための自衛策

この子の場合、感情的に相手自体を否定することなく嫌なことを拒絶するスキルが必要。口汚く罵りでもしたら、他の子との関係性にも差し障りでるし、逆恨みって怖いから。

でも黙って泣き寝入りはもってのほか。嫌なことは嫌だときちんとした形で伝える必要はある。

ある意味女の子側の駆け引きの力が強ければ、ストーカーはもうちょっと減るかもね。

三者面談の季節がやって参りました。

昨日は3件の三者面談をした。
その中でも最も時間と体力を削ったのが、生徒、母親、父親、私の四者面談!!

最初電話で生徒のお母さんから「父親も来たいと言ってるのですが、来ても大丈夫ですか?」と言われたときは、
「なんだろ。苦情かな。やばーい。」
と思っちゃった(笑)

実際その子の成績はあまり伸びておらず、低空飛行を続けていたので、「しびれを切らした父親が不甲斐ない塾に物申す!」という光景を想像して、経験のまだ浅めな私は身がすくんだのでした。責められると萎縮してしまうヒヨッコ。
(#゚ロ゚#)ぴよ。

その子のお母さんは、気の強い美人さんで、まさに教育ママ!という感じ。我が子がなかなか勉強にやる気を見せず、ぼんやりとした調子なのをいつも不満げに苛立たしげに見ている。なかなか我が子とうまく噛み合わない。

お父さんは後から来るということで、先に三者で面談を始めた。お母さんはいつもの通り不満を溜め込んでおる顔つき。しかもいつもはオーナーが面談をしているので、私が担当すると言ったときは、かなり不安そうだった。そりゃそうなるよね(笑)
(#゚ロ゚#)めんご。

お父さんは始まって5分ほどでやってきた。
お父さんの姿を見たとき、私は直感的に「この人は私の味方になってくれそうだ」と感じた。
見た目はいかにもスポーツマンという感じの胸板厚めでエネルギッシュで逞しい姿。でも眼は穏やかで口調も柔らかい人だった。

スポーツをしっかりとやり込んでいる人ほど、目先の結果で一喜一憂せず、冷静に状況分析ができる。私はこのお父さんの存在を、もうそれだけの理由でかなり心強く感じていた。

私からまずK君の現状を報告したが、その報告を聞き終わるや否や、お母さんは堰を切ったようにK君への不満を漏らし始めた。

概ね内容は、「勉強のやり方が適当」「テストの解き方が下手」といった具合だった。また、K君については国語力において、大きな課題を抱えていた。設問要求の理解がまず困難であることが、彼の学習の全てにおいて足を引っ張っていた。

これまでも国語力を高めるための授業や試みは私たちの方でも継続していたけれど、それは未だ分かりやすい形では成果を出せていない。お母さんが不安になるのは当然のことだった。

うちの塾でK君は国語の授業を受けているけれど、それに使っている教材は国語力の根本「論理的思考力」をシンプルな問題を解き続けることで鍛えていくもので、正直これ以上彼の国語力をつけるのに打ってつけの教材はないと思えるくらい、ジャストな教材だった。ただお母さんは「社会や理科の教科書の文章を使いながら国語力を鍛えるといった授業は出来ないものでしょうか?」と言い始めた。

社会や理科の成績を伸ばすということと国語力を鍛えるということの両取りを期待してのこの発言と思われるけれど、そもそもそんな授業は熟練したプロの国語教師でも難しいのではと思えるほどにハイレベルな要求だった。うちにプロの国語教師はいるけれど、彼は大学受験専門だし、学生アルバイターにそんなスキルは求められない。それは難しいと伝えた。

保護者とのやり取りで難しいところは、保護者の要望や提案を蹴ったときに、そのあと結果が出なければ、もしくは状況が悪化すれば、クレームに発展か、だまって退会されてしまうというリスクがある。

私は国語の授業は現在の内容を継続させる方がいいと思っていたし、それを言おうと思いながらお母さんの話を聞いていたけれど、お父さんの方からはお母さんとは違った雰囲気が出ていて、「これは私が言わなくてもお父さんが何か言ってくれるな」と感じ、あえてウンウンと聞いていた。

そして果たして、お父さんは動いた。
「いや、俺はこの教材すごく良いと思うよ。中途半端に路線を変えるより、これを徹底的にやるのが良いと思う」
と穏やかながら力強く言ってくれた。そして私はすかさずそこに乗っかった(笑)
(#゚ロ゚#)びんじょー。

お父さんの言葉を受けて、お母さんは納得してくれた。そのあとも、お父さんのおかげで、話し合いは穏やかに進んでいった。

私がお父さんをこっそり観察していたように、お父さんは私のことも観察していた。私という人間を図っているようだった。でもそれが割と嫌ではなかった。お父さんからは暖かい空気が出ているのを感じたから。

お母さんの不満も全て受け止め吸収してそれに応えるための対策を全て打ち出し、かつK君の主体性を重んじてなんとか彼の本音を引き出し、そこに応えるということを、時間をかけてやった。2時間かかった。

お母さんが何かKくんについて「この子はこういう子なんで〜なんです」という風に話せば話すほど、Kくんの眼から光が消えていくのがわかった。私は彼の心のサルベージに心血を注いでいた。

最終的にはKくんの眼に光が戻り、ある目標とそのために何をしていくかということを打ち立てるところまでこぎつけた。ただそこに辿り着くまでにお父さんの助力が大きかった。

私の面談を側で聞いていたオーナーたちが「スマートなお父さんでしたね。きっと頭が相当良い方なんでしょう」と言っていた。
私もそう思う。

最後にお父さんに対して好奇心から「スポーツを何かされていますか?」と聞いたところ「空手とサーフィンを」と笑って答えてくれた。色々納得した(笑)。「サーフィン一緒にいかがですか?」と社交辞令的に誘われた。ご家族で行って下さい(笑)
(#゚ロ゚#)あはは!